【南海グループのイノベーション人材 Vol.2】『EveryBuddy』の松本恵さん・大橋優也さん ー音楽を通じて人を幸せにー
イノベーション人財
南海グループが選ばれる沿線、選ばれる企業グループとなるために必要な成長と変化。
その実現に向けて新規事業という一歩を踏み出す南海人に、挑戦への想いについて語っていただく『南海グループのイノベーション人材』。
第2回は、人と音楽、企業・街を結びつけ、より豊かな社会を創出することを目指す 株式会社EveryBuddy 代表取締役社長 松本恵さん、代表取締役副社長 大橋優也さんをご紹介いたします。
EveryBuddyは、バンドメンバーや音楽活動の場を見つけることができるマッチング事業を立ち上げ、南海電鉄 新規事業開発プログラム発ベンチャーとして、経済産業省の「大企業人材等新規事業創造支援事業費補助金」(出向起業等創出支援事業)において補助対象事業者に採択されています。
以下では、これまでのご経歴から新規事業開発プログラムへ参加したきっかけ、そして事業化までの心境など、インタビュー内容をお届けします。
Q.初めに、お二人のご入社から新規事業開発プログラム参加までの経緯を教えてください
松本恵さん(以下松本と記載):私は元々バンド活動と並行しながら、南海電鉄が直営店として運営していた店舗で18歳からアルバイトをしていました。当時は、バンド活動のためにアルバイトをしているといっても過言ではないくらいどっぷりと浸かっていました。そんなある時、一人のメンバーの活動が難しくなったんです。他のメンバーを探してもなかなか見つからず、結局断念して活動休止となりました。
以来、逆に音楽の世界にいるのがつらくなって徐々にバンド活動から遠ざかっていき…。その分、仕事に専念していましたね。契約社員として勤務後、正社員雇用された南海フードシステムでは、主に店舗のマネジメント業務に携わっていました。
販売業務を長く続ける一方で、新しいことが好きでもあったので「もっと夢のあることができるのではないか」と思うようになり、ブランクを経てまたバンド活動を再開したいと思い立ちました。けれどもやはり難しいのがメンバー探し。そんな時に「自分の想いを事業化しませんか」という新規事業部開発プログラムの案内が目に留まりました。そして長い間改善されていなかった音楽活動の環境をつくりたい、何かできるはずだとプログラムの募集に手を挙げたんです。
Q.大橋さんは、そのプログラムで松本さんとチームを組むことになったのでしょうか。
大橋優也さん(以下大橋と記載):私は芸人を目指していたものの挫折し、「もう正直夢なんかどうでもいいわ、安定した企業に入ろう」と思って、25歳の時に南海電鉄に入社しました。以来、工務部や土地経営部にて業務に携わる中、実は音楽フェスを開催・企画したいという気持ちがずっとあって。それは芸人として夢破れた時、友人の誘いで参加したフェスに救われた思い出があったからです。
その体験から、自身がフェスを実施することで周囲の人を勇気づけられるのではないかと思い、開発プログラムへ手を挙げ、その後松本さんの事業に参画しました。
Q.当時手を挙げたご自身を振り返って、現在どのような印象をお持ちですか?
松本:正直、本当に最初は「実際に事業を立ち上げる」とはいえ「(社内で)そこまでできるわけない」と心のどこかで思っていた気がします。所詮研修のようになるではないかと。私の場合、特に音楽という今までの南海電鉄にないようなことだったので「やらせてくれるんだったらやってみよう」みたいな、なぜかこちらが試すような姿勢で臨んだ節はあります(笑)
大橋:私は開発プログラムの当初から、松本さんや他の参加者それぞれに抱えている想いがあるのを見て、とても志の高い人たちだとずっと思っていました。自身は当初「フェスがしたい」と言って参加しましたが、周りの人たちの考え方に触れることで、何か自分とは違うところも感じましたし、影響を受けましたね。
Q.ご自身にかけたい言葉などはありますか
松本・大橋:「想定していた以上の覚悟が必要」とは言うかもしれないですね!
松本:南海フードシステムに勤めていた頃、葬祭事業のケータリングサービス導入やオフィスビルのカフェテリアスペースを立ち上げましたが、新しく何かを始めるのは大変でした。けれども、どこか他人事なところがあるんですよね。たとえ失敗しても「自分からやろう!」と立ち上がったわけではないと片づけてしまうような気持ちが当時はありました。自ら事業を立ち上げてみると、そうはいかないので。危機感は常にあるかもしれません。
Q.事業化までの不安感や逆境を乗り越えるには何が必要でしたか。
大橋:もちろん自分の意地とかプライドは必要ですね。ただそれ以上に、チームの存在が大きいかな。1人だったら、投げ出してしまいたくなるときがたくさんあります。
でも2人だとなかなかそうは言えない。東京に営業へ行った際も、夜遅くまで頑張ったものの上手くいかないことがありました。あの日1人で大阪へ戻っていたらもうそのままやめようかと思ったかもしれません。それでも、最後に2人で歩きながら帰ってたら「また明日から頑張ろか」という気持ちになるんです。
そばに誰かが居るっていうのがとても心強いですし、開発プログラム自体、事務局の皆さんを含めて一つの大きなチームとして捉えています。
Q.新規事業開発プログラムの事務局も含め、周囲の応援で特に嬉しい瞬間ありますか?
松本:もちろん一緒に答え出してくれると嬉しいですが、正面から話を聞いてくれることが一番有難いかもしれません。それは社外でも言えることです。社外の方から客観的な意見として「良いことしてるね」と言われると、頑張るための糧になりますね。最初の機会に話したことが駄目でも、後日「また詳しく聞かせてよ」と声をかけてくださったこともあるので、なんだかんだ見てくれているのだと実感します。
Q.上記のような経験を経て立ち上げた事業「EveryBuddy」の事業内容を教えてください。
松本:私自身が音楽仲間を探すことに困っていたという背景から、「Every Buddy」ではまずメンバー募集マッチングサイトを作りました。そこで、能動的にコミュニケーションを取れて、反応が返ってくる仕組みがあれば、メンバー募集のモチベーションが続くのではないかと考えています。
あとは音楽活動にはメンバー募集以外にも、バンドの活躍の場を提供すべくオンラインでのテーマソング大会を企画したり、最近はコロナの状況が少し落ち着いたタイミングでオフラインイベントも開催できるようになりました。
Q.今後の展望についてはどのようにお考えですか?
大橋:「アマチュアも含めたすべてのアーティストにファンをつけてあげたい」という想いに行き着いています。この事業の音楽を生み出す人たちを応援すること自体が、提供したい価値の一つなんだと思います。アーティストのファンになる人たちが出てきて、その応援を励みにしたアーティストが音楽を生み出し、リスナーへ還元されるような仕組みを作っていきたいです。
Q.そのようなアーティストとリスナーのつながりを感じた場面はこれまでにありましたか?
松本:先日、いずみがおかひろばで開催したイベントでは、幅広い世代の方に演奏を聞いていただき、中には普段は音楽をそれほどお聞きにならないというご高齢の方も居ました。けれども、あるアーティストの演奏後に、その方がサインもらいに行く光景を目にしたんですよ。
きっとご自身の世界の中に、「音楽の生演奏」というものが入ってきて「体験」したから、そうやってファンになったんだと思います。この「体験」をいろんな人に知ってほしいですね。
私の人生自体が音楽と密接に絡み合って、音楽の中で生きてきました。演奏だけではなく「聞く」ことも含めて、いろんな人生の出来事と音楽がリンクしています。それはいつまでも消えないもので、その体験によって音楽がすごく特別になっていく。皆さんそれぞれの音楽があるはずなので、1人でも多くの人に「音楽を体験する」という世界観を伝えていきます。
Q.最後に、イノベーションを起こそうと挑戦する方へのメッセージをお願いします。
大橋:南海グループで挑戦することで、きっと他の企業よりもすぐに「まち」単位のレベルで物事を変えていけると思うんですよね。よく「まちづくり」と言ったりしますが、本当にそれができる企業の土台がある。私達も2019年ぐらいからこの事業を立ち上げようと動き始めて、この短期間で世界が変わっていきました。会社のこれまで築いてきた基盤に誇りを持って、まちを含めて挑めばいいのではないかと考えています。
松本:この先ずっとこのような新規事業開発プログラムがあるとは限らないですし、会社人生の中でそういうチャンスがやってきたこと自体、恵まれてるなと感じています。個人で「新規事業やろう」と思っても、簡単にできるものではないし、会社にサポートしてもらいながらできることを、「なんて幸せなんだろう」と思いつつ、今はひたすら前進していくのみだと決意しています。
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